貴方
わたし、
貴方とのペアリングを夜にこっそりつけてみたりするの
するっと指から落ちて、何処かに消えてなくなっちゃえばいいのになって思うの
わたし、
貴方から貰った時計をまだつけているの
針が動かなくなって、もう使えなくなっちゃえばいいのになって思うの
貴方はわたしのことを思い出すでしょうか
お気に入りの喫茶店でよく食べていたプリンアラモードのこととか、
仕事帰りの待ち合わせ場所はいつも紀伊國屋だったこととか、
いろんなこと、貴方は思い出すでしょうか
東京は貴方との思い出で染まっていてね、
何をするにも貴方を感じるよ
だからね、どこか知らない場所に飛んでいけたらいいなあと思うの
でもね、初めて見るもの、触れるもの、その全てを貴方にも見せてあげたいと願ってしまうの
結局ね、世界は貴方で染まっているの
何処にいても、何をしても貴方がいるんだ
こんなことを思うような自分じゃなかったのにな
純粋で真っ直ぐでちょっとロマンチックな貴方に染められてしまった
貴方は思い出すでしょうか
わたしを、わたしとのことを
思い出してくれていたらいいな