今日。

 

2019年5月23日。

 

今日はなんだかしあわせ。

いや、しあわせという言葉はちょっと似合わないかな。

 

仕事中に来週に控えた恋人の誕生日に作るタルトについて調べ、早速材料を買いに行った。

 

来週末に控えたいとこの結婚式に着けていくアクセサリーを買い、いま大好きなサラダ屋さんでサラダを食べている。

ビタミンを沢山取れるサラダらしく、食べてるそばからなんだか気分がよい。

トッピングにモッツァレラチーズをつけたから、なんとなく気持ちがまろやかになってる気もする。

あまり好きではないのでいつも避けているオリーブが、今日はなんだか悪くない。

 

そんな日。そんな一日。

 

なんの抑揚もない、平凡な日。

 

しあわせ?多分、しあわせなのかな。

パズル

 

わたしはいつも心の中で頬杖をついている。

とても退屈だから。

 

貴方は糊で固められた、

パズルの完成品みたいな人。

 

私が手を加える余地はもう何処にも無い。

足りないピースを探す必要も無い。

 

今日も明日も、明後日も

「綺麗だな」って見つめるだけの日々が続くのだろう。

 

つまり、わたしは傍観者。

パズルに傍観者は必要だろうか。

 

きっと、わたしは貴方の特別な存在にはなれないのだろう。

 

 

 

 

 

12月は冬。

あーあ、連絡しちゃおうかなって。

そんなこと思っちゃって。

 

梅干しサワーの酸っぱさと甘さ。

身体にじんわり浸透していく。

 

お酒は強いはずなんだけど、

もっと、もっともっと酔いたいなって。

自制が効かなくなるまで。

もっともっと。

 

そうすれば君に近づく理由が出来るかもなかんて。

 

君ならなんでも許してくれるでしょう?

 

酔っ払って破茶滅茶な私も、

シラフのつまらない私も、

大好きって言ってくれるでしょ?

 

くしゃっと笑うその優しい顔で、

私のこと包み込んでくれるでしょ?

 

私が相手ならいつまでもときめいていられるんだって、

貴方言ったでしょう?

 

とっても上手くいっていたあの日も、

さよならを告げたあの日も、

そう言った。

 

理想ばかりを追い求めて、馬鹿みたい。

なんて、思っていてごめんね。

 

いつまでも、どこまでも、

真っ直ぐな君が憎らしかった。

 

だいすきだよ。

ビニール袋

 

 

風に吹かれて舞うビニール袋

私の足を横切ってどこか遠くに消えてった

 

誰かの傘からいつのまにか抜け落ちたのだろう

 

誰も気付かないし、

誰も気に留めない

 

私もきっと同じような存在なのだろう

 

我武者羅に探す、ビニール袋の良いところ

そんな阿呆らしいことを考えて、

また今日もいつのまにか眠る

 

ボロボロになった薄汚れたビニール袋

その姿が最期なのか、何が最期なのか

 

この世の全てに無抵抗な姿が私に重なる

 

誰も気にしないし、

誰も受け入れない

 

卑屈な考えで、皮肉な物言いで、

見るも無残な姿のまま、

この先もずっと眠りにつく

 

貴方

 

わたし、

貴方とのペアリングを夜にこっそりつけてみたりするの

するっと指から落ちて、何処かに消えてなくなっちゃえばいいのになって思うの

 

わたし、

貴方から貰った時計をまだつけているの

針が動かなくなって、もう使えなくなっちゃえばいいのになって思うの

 

貴方はわたしのことを思い出すでしょうか

 

お気に入りの喫茶店でよく食べていたプリンアラモードのこととか、

仕事帰りの待ち合わせ場所はいつも紀伊國屋だったこととか、

いろんなこと、貴方は思い出すでしょうか

 

東京は貴方との思い出で染まっていてね、

何をするにも貴方を感じるよ

 

だからね、どこか知らない場所に飛んでいけたらいいなあと思うの

 

でもね、初めて見るもの、触れるもの、その全てを貴方にも見せてあげたいと願ってしまうの

 

結局ね、世界は貴方で染まっているの

何処にいても、何をしても貴方がいるんだ

 

こんなことを思うような自分じゃなかったのにな

純粋で真っ直ぐでちょっとロマンチックな貴方に染められてしまった

 

貴方は思い出すでしょうか

わたしを、わたしとのことを

 

思い出してくれていたらいいな

 

定食屋さん

池袋から高田馬場まで歩いた。

30分で歩ける道を、1時間かけて。

 

いつも見ているビルが、

半分より上は赤く光って、

もう半分は白く光っていること。

 

リボンの形をした蜘蛛の巣が

フェンスにかかっていたこと。

 

歩くと、

少し変なところに気づいた。

 

途中で

いつも電車から見下ろしている川を見た。

 

川の水がさらさらと流れていて、

キラキラとまでは言えないけれど、

静かに光っていた。

 

川にかかる橋を渡ると、

繁華街が見えてきて、

道を行き交う人の声が

イヤホンを通り越して耳に入ってきた。

 

賑わう通りの奥に、

いつかの日に君と行った定食屋さんが見える。

 

繁華街の賑やかさと、

通りの明るさに隠れていて、

とても古めかしく感じる。